レコード盤はちょっとしたことで傷ついてしまいます。傷がついたり、レコードの溝に細かな埃がたまると針が飛びやすくなります。ですからレコードを買ったら先ずはカセットテープに録音して、レコード盤は極力聴かないように大切に保管しておきます。そうすればレコード盤を傷つける機会がぐっと少なくなります。それに何と言っても扱いやすいという点では、レコード盤よりもカセットテープの方が遥かに上です。大きさもコンパクトでポケットに入れて持ち運びができるし、カセットレコーダーに入れてスイッチを押せばすぐに音が出ます。テープはレコードに比べて音は悪いですが、そこはちょっと我慢して聴くしかありません。
流石にLPが二枚分となると、一日に何十回も聴く訳には行きませんが、それでも学校から帰宅して時間があれば毎日のように聴いていました。、やはりテープにして正解だったと思います。本当に何度も聴いていましたから、2枚のLPに収録されている曲は直ぐに全部覚えてしまいました。一度ファンになってしまうと、「グレープ」のことが何でもかんでも知りたくなります。コンサートにも行ってみたいと思いましたが、この時にはもう既に「グレープ」は解散していました。「グレープ」が解散したのは1976年の春です。「グレープ」は活動中に「三年坂」以外に合計3枚のアルバムをリリースしています。「わすれもの」「せせらぎ」そして「コミュニケーション」の3枚です。当然ファンとしては欲しくなりますよね。そして当然買ってしまいました。レコードを買うときの恥ずかしさに変わりはありませんが、もじもじと無駄に費やす時間は、いくらか短縮されて来た気がします。初めての曲を聴くときの新鮮さはファンにとってはたまりません。結局何度も繰り返して聴くうちに、グレープの曲は全て目を瞑っていても歌えるようになってしまいました。これだけの時間と情熱を勉強に傾けていたなら、自分の成績はかなり上がっていただろうと今更ながらに思います。
