ホームセンターで買っておいた離乳食をカミさんが袋から出してきました。果たしてちゃんと食べてくれるのか少しドキドキでした。先ずは試しに少しばかりの量をスプーンでお皿に載せて、そのお皿を娘に渡しました。娘がダンボール箱に近づくと、子犬はもう早くよこせと言わんばかりに手足をバタつかせて錯乱状態。お皿をダンボール箱の中に置こうとする娘の手に貪りついてきて、一瞬のうちにお皿は綺麗になりました。全然もの足りなさそうに空になったお皿を舐め回しています。お皿を舐めまわしながら娘の顔をちらちら見て、もっとよこせと威嚇しているようにも見えました。ペットショップで見せたあの気品はどこへ。娘が「もっとあげても良いの?」と言うとカミさんは「良いよ。」と答えて残りを全部お皿に入れて差し出すと、瞬く間にぺろっと平らげてしまいました。子犬はまた娘の顔をちらちら見ていましたが、それ以上はあげ過ぎです。娘が「ねえ!この子の名前は?」「まだ決めてないよ。」「じゃあ私が名前を付けても良い?」すかさずカミさんが「ちょっと待って、私も考えるわ!」息子も「オレも考える!」「お父さんも考えるよ!」ということで家族会議が始まりました。「じゃあ、みんなで考えて、その中から良い名前を多数決で決めよう。」皆が真剣な顔で考え始めました。家の中に無言の時間が流れました。自分も父親として、そこらへんにあるようなアリキタリの名前ではなく、人から「珍しい名前だね、でも良い名前だね!」と言われるような奇抜な名前を、是非この自分が自ら付けたいと思っていました。というよりカミさんや子供たちにはどうせ大した名前は思い浮かばないだろうと思っていました。そこで「じゃあ今夜一晩みんなにチャンスをあげるから、寝ながらじっくり考えよう。そして明日の夜、考えた名前を出し合おう。」・・・その晩は皆無口のまま寝床につきました。翌朝、子供たちは学校へ。自分は職場へ。帰ってきて皆の顔が揃ったら家族会議再開です。それまでに良い名前を考えないと。
「命名」
2015.02.20